早起き・早寝が大切なのはどうしてなのか?
今「早起き・早寝」が大切だと言われているのは、道徳的な意味からだけではなく生物学的根拠があります。
【早起き・早寝が必要な理由①】
ヒトは昼行性の動物
代々受け継がれてきたリズムは変えられない。
ヒトは24時間いつも同じに動くロボットではありません。昼には昼に動く体の仕組みがあり、夜には夜に動く体の仕組みがあります。体温のリズム、ホルモンのリズムなど、体のすべてのリズムがそれに基づいてプログラムされているので、その仕組みに合った生活をしないと、体や心をよりよく発達させることができなくなってしまいます。また、そのリズムに合わせて生活したときにこそ、ヒトはその能力を最も発揮できるようにつくられているのです。24時間型社会になっても、ヒト本来の生活リズムを守ることが、特にこれから成長していく子どもにとって大切です。
【早起き・早寝が必要な理由②】
ヒトは朝の光をキャッチして体内時計をリセットするから。
ヒトの脳の中の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」というところに体内時計があり、ここで朝の光をキャッチして、体内時計を地球時間に合わせています。体内時計の働きで睡眠、体温、ホルモンの分泌などのリズムも刻まれます。遅くまで明るいところで起きていたり、朝の光をしっかりキャッチできなかったりすると、脳の中の体内時計がリセットされず、1日のリズムをきちんと刻むことができません。また、朝の光には、心を穏やかに保つ働きのある神経伝達物質「セロトニン」の活動を高める働きがあります。
【早起き・早寝が必要な理由③】
夜に浴びる光は体内時計に働いて体内時計と地球時間のズレを大きくするからです。
夜に明るいところにいることは、体内時計と地球時間のズレをますます大きくし、生活リズムを崩します。また、夜の光は「メラトニン」という細胞を守る働きのあるホルモンを出にくくしてしまいます。
【早起き・早寝が必要な理由④】
成長に必要なホルモンは、夜寝ているときにたくさん分泌されるからです
ヒトは、生後4か月くらいから夜寝ているときに成長ホルモンが集中的に分泌されるようになります。4~6歳ころからは、寝ついてすぐ、深く眠っているときにたくさん分泌されるようになります。成長ホルモンが十分に分泌されないと、脳や体の成長に影響が起きることが心配されます。
【早起き・早寝が必要な理由⑤】
体温のリズムが乱れると、昼間、活動的に生活することができないからです
体温のリズムもまた、睡眠、ホルモンのリズムと関連しています。体温は、明け方に低く、起きると上昇して脳や体を目覚めさせ、活発に動けるようなリズムを刻んでいます。睡眠のリズムが乱れると、この体温リズムも乱れてしまい、午前中にぼーっとしたり、疲れやすかったりという影響があります。