心臓から血液を送り出す時に、血液によって血管の壁にかかる圧力のことを血圧といいます。 心臓が収縮して血液を押し出した瞬間が血管に一番強く圧力がかかります。これが、収縮期血圧(最高血圧)です。反対に収縮した後に心臓が拡がるときには圧力が一番低くなります。これが、拡張期血圧(最低血圧)です。
血圧はちょっとした動作や心理的状態に左右されますが、安静状態で血圧が慢性的に正常値より収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが高くても高血圧となります。また血圧は朝の起床時とともに上昇し日中は高く夜間・睡眠中は低くなります。
高血圧は大きく2つに分けられさまざまな原因が考えられます。
【高血圧症の症状】
高血圧に自覚症状は、ほとんどありません。
血圧が高い時にみられる自覚症状としては、頭痛・めまい・むくみ・動悸・肩こりなどがあります。
しかし、症状があったとしても高血圧特有の症状と考える人は比較的少ないです。そのため、定期健診で早いうちに発見できて精密検査を受けるように診断されても自覚症状がないからと放置する人が少なくありません。そのため、そのまま放置することにより様々な合併症を引き起こすことになります。
高血圧の合併症としては、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)・脳卒中(脳梗塞・脳出血)・慢性腎臓病(CKD)・糖尿病・不整脈があげられます。これらの合併症を引き起こすと生命やその後の生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
【高血圧の治療】
高血圧の状態が続くと血管はその圧力に耐えるために血管壁が厚くなります。しかし、血管壁の厚い血管は弾力性が失われてしまい血管壁は傷つきやすくなります。さらに血中の物質によって傷害され、その傷口からコレステロールなどの脂質が血管壁に入り込むと動脈硬化になります。動脈硬化は全身に起こり血液の流れを悪くし、特に多くの血液を必要とする臓器である脳や心臓に害を及ぼします。
高血圧の治療の目的は、血圧を下げる事そのものではなく高血圧による虚血性心疾患や脳卒中などの合併症を防ぐことです。
高血圧の治療としては、
□塩分摂取の制限
□適正体重の維持
□禁煙
□アルコールの適量摂取
□食事管理
□適度な運動
□ストレスを避ける
など、気をつけて日常生活をしなければいけません。